「技能実習制度」とは、母国では習得することが難しい技能を日本の企業で実習をおこなうことにより身に着けてもらう制度です。
実習生は5~6年といった長い単位で日本に滞在し、実習で得た技能を母国で活かしていけるよう働きながら学びます。
その長い期間を過ごす住まいは、どのように選べばよいのでしょうか。
今回は、技能実習者の生活の拠点となる宿舎についてご紹介します。
外国人技能実習生の宿舎の選び方とは?
外国人技能実習生が日本で過ごす宿舎は、実習実施者(受け入れ企業)が用意することになっています。
技能実習生自身で好きな賃貸物件を選んだり、個人で契約したりするわけではありません。
宿舎となるのは実習実施者である会社が持っている寮、あるいは借り上げているアパートや戸建てというケースが一般的です。
建設系の実習実施者の場合、日本人も住んでいる社員寮に実習生も一緒に住むというパターンが多いです。
毎年定期的に実習生を受け入れている企業だと一戸建てを借り上げているケースもよく見られます。
多くの場合、リビングダイニングやキッチン・風呂トイレなどの水回りを共通で使用し、寝室は別に用意されています。
1人当たり3畳以上のパーソナルスペース、また1部屋には2人までと決められているので、過度に窮屈な思いをすることはありません。
6畳ほどの寝室を2人でシェアするパターンが多いですが、なかには3DKのアパートに2人で入居していることもあり、宿舎によってさまざまです。
外国人技能実習生の宿舎での注意点とは?
賃貸物件を宿舎としている場合、初期費用は実習実施者つまり企業の負担となりますが、月々の家賃や共益費は実習生が支払わなくてはなりません。
ほかにも水道光熱費やwi-fi使用料なども徴収されるため、使い過ぎには注意しましょう。
また、食費も自己負担となります。
炊飯器や食器など生活に必要な最低限の備品はあらかじめ用意されていますが、のちに必要となったものや日々の消耗品は、個々で購入しなくてはなりません。
もちろん、夜遅くに大声で話したり騒いだりするのは近所迷惑になるため禁止です。
なお、2019年に入管法が改正され、「特定技能」の資格を持つ外国人は企業が決めた宿舎だけでなく自ら選んだ賃貸物件に契約して住むことが可能になりました。
そのため現在は一人暮らしをすることもできますが、同じ目的を持った仲間との共同生活は貴重な経験の一つです。
集団生活のルールを守り、日々の生活をお互い快適に過ごしてみるのもよいでしょう。